AI体験イベント@くすぐるコツ練習コーナーでのアルバイト【くすぐり小説】

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プロローグ

くすぐりフェチ相手

今、私は少し緊張しながらバイトに向かっている。

大学4年生の冬、就活を無事終えた私は日雇いの派遣バイトをすることにして、今日はその初出勤日。

会社からは、「シンプルな服装で行って、あとは当日ディレクターの指示に従って」としか言われず、何も概要を知らされていない。

指定されている場所はイベント開場で、調べてみると今日はAIの体験イベントが実施されている。

ビジネス的な内容ではなく、ファミリー向け・アトラクションのような体験ブースが中心のイベントのようだ。

集合場所に到着すると、同じ派遣会社であろう人たちが数十人規模で集まっていた。

私もそこに混じってから数分後、私服の人たちだらけの中にスーツの男性が現れ、メガホンを持って話し出す。

おそらくあの人がディレクターさんなんだろうな。

「おはようございます。本日は第4回目のAIイベントです。~~~~~~~~~~~」

4回目だったんだ…

と今初めて知りながらも、説明を聞く。

周りにいる派遣バイトと思わしき人たちは、大半が1~3回で勤務していた経験者のようで、ディレクターさんが名前を呼んで各ブースへと配置していった。

残ったのは10人程度で、経験の浅い人と初出勤の人のみとなった。

「えー、今残っているスタッフさんたちには、未経験でも大丈夫なブースを残してありますので、興味ありそうなブース名を言ってください」

興味ありそうなと言われても、と思いながらイベント詳細のパンフレットでどんなブースがあるのか調べる。

すると、1回は経験はありそうな人たちがすぐさま声をあげ、選択肢は狭まっていく。

残ってるのは、『無人運転の車体験・くすぐるコツ(最新鋭のリアル人間ロボ体験)』。

車の方はわかるけど、こっちは何するブース…?心理をくすぐる的な?

んーーー、車は私詳しくないし、何か質問されたら答えられないからなぁ。

よく分からないブースだけどこっちにしよう。

「はい!私はくすぐるコツ?のブースがいいです!」

「わかりました。えー、お名前いいですか?」

「あ、葉月と申します」

私の働くブースが決定し、残ったメンバーも配置が決まったようだ。

私のブースでは、男女1人ずつスタッフがつくことになっているらしく、もう1人の男子とディレクターさんに案内される。

「ここが君たちのブースね。ここは疲れるとは思うけど、なんの知識もいらないよ。とりあえずこれに着替えてね」

そう言われて手渡されたのは、全身ゴム素材のようなコスチューム。

外袋には『全身ラバータイツ』と書かれている。

え、これ、着るの…?

ディレクターさんはすぐ戻るからと言い残して忙しそうにどこかへ言ってしまったし、とりあえず着るしかない。

もう1人の男子も、え?と戸惑いつつも更衣室へと入っていってしまった。

着たくない感がやばいが、初出勤の身で、もう少しでイベント開始時間だということもあり、着替えるしか選択肢はない。

渡されたときは分厚い生地に思えたけど、着てみるとそこまで厚さはなく、身体にピタッとくっつき身体のラインがくっきりだ。

ラバーくすぐり

これ、ちょっとぽっちゃりさんだったら着れなかったんじゃ?

鏡を見て恥ずかしさでいっぱいだけど、2,3分前に隣の男子が更衣室のカーテンを開けた音がしたので、待たせてしまっているだろうから、そろそろ羞恥心を捨てて出ないと…

思い切ってカーテンを開けて外に出ると、ディレクターさんがちょうど戻ってきたタイミングだったようだ。

「おっ、着替えられたみたいだね。じゃあこのブースの仕事を説明するね」

くすぐるコツって、本当にあのくすぐり!?

名前もまだ知らないけど、一緒のブース担当となった男子のスタッフさんとディレクターさんの説明を受ける。

「まず、謝罪からなんだけど、このブースには本来最新鋭のリアル人間ロボってことで、超人間みたいなロボットが来る予定だったんだけど、不具合があって間に合っていないんだ。てことで、2人にはそのロボットを演じてもらう」

「ロボットを演じるってどうしたら良いんですか?」

私も思っていた疑問を男子スタッフが質問してくれた。

「うん、これといって何かロボットっぽく演じる必要はないんだ。今回のこのブースはね、名前の通り、くすぐるコツ練習の場なんだ。具体的には、お客さんはそのタブレットの生成AIアプリにくすぐるコツを尋ねて、返ってきた答え通りにくすぐるって内容なんだ」

「ちょっ、それって、私たちくすぐられるってことですか!?」

想定していない内容に、ディレクターさんを食い気味で問い詰めてしまった。

「うん、そうゆうことだね」

悪気なく認めてきたので、文句も言えない。

それに、初勤務で意見を言える立場でもないし、あと5分で開場というアナウンスも流れているため泣き寝入りするしかないようだ。

「それじゃ、もうすぐオープンするから準備に移ろうか。パンフレットには女性ロボットが先になっているから、葉月さんが先ってことかな。30分ごとに交代で、5時間のイベントだから5回ずつってことになるね」

男子スタッフはバックヤードで待機となり、私は心の準備が整わないまま早速仕事となってしまった。

するとここで、私は良い案を思いつく。

「あの、私、くすぐりには弱くって…絶対暴れちゃうと思うんですけど、他の人に代わって頂いた方が…」

「あぁ、それなら大丈夫。暴れられないように、あの壁に手枷と足枷ついてるから」

ディレクターさんの指差す方向を見ると、大の字に手足を広げたままになるような拘束具が。

「え…あれで拘束されたまま30分もくすぐられるんですか!?」

「そうだねぇ〜、けど、5分ごとのお客さんの入れ替わりの時間とか、生成AIにくすぐるコツを聞く時間とかがあるから、ずっとって訳じゃないよ。だから都度休憩できるから安心して」

「そうですか…」

くすぐられるのが弱いというのは事実なので、10秒すらくすぐられ続けるとおかしくなってしまいそうなのに…

確かに知識は何もいらないバイトだけど、私にとってはどんな仕事よりもキツイ気がする。

「あっ、やばい、もうオープン時間になる。はい、じゃあ手足固定するからこっちきて」

ディレクターさんに拘束具の元へと連れられ、身体はすぐに大の字に固定され動けなくなってしまった。

「じゃあ本物の人ってバレないようにこれ被せるね」

「はい」

首から上を覆うマスクを被せられ、目の前は真っ暗に。

ロボットを演じるため、のぞき穴のようなものもないようで、目隠しでひたすらくすぐられないといけないらしい。

「よし、じゃあ始まるけど、痛いところとかはない?」

「それは大丈夫ですけど…」

拘束は少し緩めで身体は少し動かせるし、痛い部分はない。

しかし、単純にくすぐられるのが大丈夫ではない。

「OK!じゃあ、お客さんが余程のことをしない限り、誘導のスタッフが止めてくれることになってるから安心してね。それじゃ!」

ディレクターさんはそう言うと、足音は遠ざかっていく。

すると、イベント開始のアナウンスが流れてきて、いよいよ始まってしまったことを理解する。

全身ラバーくすぐり開始

さっきフロアマップを見たけど、このブースは会場の奥の方にあったはずだから、お客さんがここまで来るのには少し時間がかかるだろう。

このロスタイムがある分、前半で良かったかもしれない。

まぁわずかな時間だけど…

このわずかな時間ですら、くすぐられると大笑いしてしまう私にとっては貴重な休み時間だ。

開場から5分ほど経過しただろうか、徐々にお客さんがこのあたりまで歩いてきているのが声でわかる。

周りが見えないと言うのがめちゃめちゃ怖い。

どこをくすぐられるかの予想すらできないなんて…

すると、とうとうその時間が来てしまった。

「こちらへどうぞ〜」

とスタッフさんが案内する声が聞こえる。

「わー!これロボット??」

「えー、すごい本物みたーい!」

小学生?中学生?くらいの男の子と女の子の声が聞こえ、どうやら両親もいるっぽい。

話を聞いていると、参加するのはお子さん2名だけなようで、命拾いした気分だ。

「じゃあ、今から5分ね〜〜。まずはこのタブレットにこうやって質問してみようか?」

スタッフさんがおそらくAIに聞く質問の書いてある紙を見せているのだろう。

「くすぐるコツを5つ、具体的に教えてください!」

と子どもが元気よく質問する声が聞こえてきた。

くすぐるコツGPT
chatGPT

声はしっかりタブレットは認識したようで、AIから返事が返ってくる。

くすぐりは人によって感じ方が異なり、またくすぐられるのを好まない人もいますが、くすぐる際にポイントとなるコツをいくつかご紹介します。ただし、相手が快適であり、同意の上で行ってください。

  1. 軽いタッチを心掛ける:
    くすぐるときは、強く押し込むのではなく、軽くタッチするようにしましょう。人の肌は非常に敏感なので、羽のような軽いタッチでさえも強いくすぐったさを引き起こすことがあります。
  2. 反応の良い箇所を狙う:
    人によってくすぐりやすい部分は異なりますが、一般的には脇の下、首筋、脚の内側、足の裏などが敏感な場合が多いです。これらのエリアに軽く指を走らせたり、ピアノを弾くような動きで触れたりすると効果的です。
  3. リズムを変える:
    同じリズムで続けると、相手の体が慣れてしまい、感覚が鈍くなることがあります。そのため、リズムを変えたり、予期せぬタイミングでくすぐったりすることで、相手を驚かせることができます。
  4. くすぐる強さを調節する:
    強すぎると痛みを感じることがありますし、弱すぎるとくすぐったさを感じないことがあります。相手の反応を見ながら、くすぐる強さを調整しましょう。
  5. 相手の状態に注意する:
    相手が楽しんでいるかどうか、くすぐりによって苦しんでいないかを常にチェックしてください。笑いは体の自然な反応ですが、過度になると息苦しさや不快感を引き起こすことがあります。また、笑いやくすぐったさで防御反応が出る場合があり、思わぬ怪我につながることもあるので注意が必要です。

くすぐりは親密さを表す行為でもありますが、必ず相手の同意を得て、楽しい経験になるように心がけましょう。

「おっ、よくできたね〜〜。AIに質問する時はこうやって細かく質問すると、こうやってわかりやすく答えが返ってくるから覚えておいてね。じゃあ最初はなんて書いてある?」

スタッフさんが質問すると、子どもたちが読み慣れない文章を声に出して読み上げる。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜………….同意の上で行ってください」

「そう!じゃあAIの言う通り、くすぐっても良いかロボットに聞いてみましょうか」

「はい!くすぐってもいいですか?」

ん?なに、これ答えるってことだよね?

聞いていない仕事内容に戸惑ったけど、ここは答えておくのが正解だろう。

「え、あ、はい。いいですよ?」

急だったのでロボットにしては人間らしすぎる戸惑った返事をしてしまった。

「ははは!ちょっと嫌そう!すごい本物みたい!!」

どうやら良い方向に子どもたちは解釈してくれた様子。

けどここまでで1,2分は経っているのではないだろうか。

5分フルでくすぐられることはないんだと思うと少し気持ちが楽になった。

「同意してくれたから、あとはAIが教えてくれたくすぐるコツを試してみよーう!」

「「はーーい!!」」

もっと時間を稼いでくれるかなと思っていたけど、ついにくすぐり開始となってしまった。

「軽いタッチを心掛ける、だってーー」

「こちょこちょって強くやった方がいいんじゃないんだぁ。こんな感じかな?」

男の子の手が私のお腹へと優しく触れ、指示通り軽いタッチでこちょこちょしてきた。

これって耐えちゃってもいいのかな?

けど、あれ?やばい…

子どもの軽いくすぐりくらい、耐えられ、る。耐え、られ、るもんーーーっ!

「ふふふふ。ひっ!あひひ。んっ!あはっ!ひひひひ!」

耐えても良いかなんて疑問を抱くのは無駄なようで、耐えるのに必死になったにも関わらず、想定以上にくすぐったくて笑いが漏れてしまった。

何これ、全身ラバータイツ?だっけ?

しっかりした生地っぽいのに、身体に密着しすぎてるせいで指の動きが直接伝わってくるようで、すごいくすぐったい。

「笑った!」

「すごい!私もやる!」

女の子の方も参戦してきて、用意してあった踏み台に乗り腋を優しくこちょこちょしてきた。

周りが見えないせいで、どこをくすぐられるのか予想がつかないため、唐突な腋へのくすぐったさに身体を縮こませようと動いてしまった。

「あっ!あはははは!やっ、あああはははははは!くっ、くすぐったいいいい!!!」

子どもに優しくくすぐられているだけだというのに、全く耐えられない。

「わぁー!紐がピーンてなってるーー!」

緩い拘束だったので身体を動かせる余裕が多少あったので、抵抗しようとして拘束具が限界まで伸ばされているのだろう。

「笑い声も動きもロボットじゃないみたい!!」

本物なんだってば…

開始30秒も経っていないが、すでにギブアップしたい。

「けど、このくらいじゃ普通こんな笑わないよ。くすぐりにすごい弱いように設定されてるんだよ」

「そうなのー?お兄さーん」

女の子がスタッフに声をかける。

「え?あぁ、そうだね〜。弱すぎるかな?」

返答からスタッフさんの戸惑いを少し感じる。

「うん。こんな優しく触ってるのにすごいくすぐったがってるもん。ほら!」

男の子も踏み台に乗り、腋から脇腹にかけて優しく手を動かしてくる。

「あっ、やっ、いろんなとこ触っちゃ!あはははは!む、むり!いいいいひひひっ!」

くすぐられる部位が予想できないと、こんなにくすぐったさは増幅するものなのか…

普段友達にくすぐりが弱いことをからかわれてくすぐられる時より、断然今の方が耐えられない気がする。

「ね?普通こんなくすぐったがらないでしょ?」

「そうかもね〜?きっとくすぐるのが上手いんだよ!じゃあ、他のくすぐるコツも試してみたら?」

スタッフさんが困りながら対応してるところを見ると、今までこの役をやったバイトさんはもっと耐えられていたのだろうか。

「わかった!えーと、反応の良い箇所を狙う?」

「このロボット、弱いところが設定されてるの?」

「どうだろうねぇー。いろんなところくすぐって探してみようか〜!」

「ちょっ!」

スタッフさんの提案に思わず突っ込みそうになったが、ギリギリ耐えられた。かな?

「はーい。じゃあ上から順番に調べていこうかな〜」

男の子・女の子は同時に腋に触れ、両手でさっきと同じ優しいタッチでくすぐってきた。

「んっ、くぅううう!ひひっ!あはははは!やぁ!わき、だ、ダメェ!ああん、ハハハハハハ!」

片腋を指20本でくすぐられ、これに抵抗できないなんて地獄すぎる…

普段なら0.1秒で腋を締めて抵抗するのに。

「腋はダメだって〜、ここが弱点ってことかなー。すごい笑ってるし、身体も暴れてるし」

「ん〜、どうだろうねぇ。このまま下に移動してみよう」

子どもたちは相談しながらくすぐり続けてきて、手は徐々に下へ移動してくる。

次にくすぐられる部位が予想できるだけまだ気が楽だけど、そのまま下に移動…?

子どもたちは腋の下へ手を移動させ、胸だろうとお構いなしに胸部をくすぐってきた。

「あっ、あひひっ!いっ、いやっ!うぅ、くひひひ。あんっ、あはは!」

胸の横の部分ならまだしも、ロボットだと思っているからか胸も躊躇いなく触ってきている。

こんなところ、友達にくすぐられたこともなくて初めての感覚だ。

「ここは腋より反応薄いかなぁ?」

「そうかもね。じゃあ次はお腹!こちょこちょこちょ〜〜」

胸くすぐりが終わったと思いきや、すぐにくすぐる部位を変えてくる。

「あっ、だ、だめええええ!あはははは!いいいいひひひ!あはっ、きゃああああははは!」

子どもたちのテンションが上がってきたのか、くすぐる手に力が入ってきていて、くすぐったさが増していく。

「お腹もすごい弱い!腋とどっちが弱く設定されてるのかな?」

「どうだろうなぁ、お腹じゃないか?けど、母さんのプニプニ3段腹とは全然触り心地が違うな」

「そりゃロボットなんだから、理想的な身体になるに決まってるでしょうが!」

距離を置いて見守っていたであろうお母さんがいじられて突っ込みを入れてきた。

同時に、足音が近づいてくる気がする。

「実際の人間でこんなスタイル良いなんてモデルさんくらいよ?ロボットだからこんな引き締まったウェストになるんだわ、憎たらしいわねぇ〜〜」

目の前からお母さんと思わしき声が聞こえると、ウェスト部分を指を立ててモミモミされる。

「あ!!あああああははははは!きゃああああああははははは!やあああめええええええ!!!だ、だめっ、いいいいいいいいいひひひ!アアアアアアアアア!」

今まで優しいくすぐりだったのに、急にツボを刺激されるようなくすぐったさに襲われ、一気に頭がおかしくなった。

脇腹のモミモミ攻撃は、私が特に弱い方法の1つ。

大学でよくからかってくる友達も、私がこれを弱いことを知っていて頻繁にこれをやってくる。

「わぁー、今までで1番反応してる!!」

子どもたちも脇腹モミモミしてくるが、見なくてもお母さんのモミモミが絶妙な強さでツボに入ってきて尋常ではないくすぐったさだ。

ここで、「ピピピーーーーー」と終了の機械音が鳴り響く。

「えー、もう終わりー?」

「まだ全部のコツやってないのにー!」

子どもたちが不満を漏らすが、スタッフさんがうまく宥めて場を回す。


最初の家族がブースから出ていき、すぐにお客さんがくるかと思いきや、待っていたお客さんはいなかったようで拘束されたままの休憩時間となった。

やばい、くすぐったすぎた…

もうこんなの、限界…

これをあと何回やるわけ!?

こんな仕事をやらされるって分かってたら、給料10万円って言われてもこんなのやらなかったのに…

はぁ、車の方のブースにしておけば良かった…

なんて後悔の念を脳内でブツブツ呟いていると、元気な男の子声が近づいてきた。

「お父さん!太郎くんが言ってたやつこれだ!」

「そうみたいだなぁ〜。おぉ、本当にすごいリアルなロボットだ」

男の子とそのお父さんの2人組が入ってきたようだ。

さっきの家族の知り合いなんだと会話から察することができる。

スタッフさんがさっきと同じように対応し、スムーズにAIからくすぐるコツの返事をもらう工程が終了した。

もっと時間を稼いでよ…

と目線をスタッフさんの声の方へ向け、口をパクパクさせる。

黒いマスクの下でなので、当然伝わるはずはない。

「お父さんもやろーー」

「おう。あんまり興味なかったけど、すごいリアルでスタイル良いロボットだし面白そうだな」

ちょっと、大人も最初から参戦してくるの!?

「まずはAIの返事通り、同意をとってくださいねぇ〜〜」

「あ、そっか。お姉さん、くすぐっていいですか?」

この質問、是非ともNoと返事をしたい。

「………………。はい、いいですよ…」

迷った末に、渋々感情を消して同意をする。

「返事遅いねぇー、このロボット。声も暗いし」

「まぁAIが進化してるとはいえ、人間型のロボットなんてこんなもんだろ。すごいリアルって聞いたけど見た目だけなのかもな」

私の渋々の返事は、質の高くないAIロボットととして捉えられたようだ。

失望して帰ってくれたら良いのに…

とバイトとして失格な期待を抱いてしまう。

「まずは軽いタッチを心掛けるだって、お父さん」

「おう、やってみろ」

お父さんは少し興味を失ってくれていたのか、見守ってくれるらしい。

男の子が踏み台に乗り、身体の側面を撫でるように触ってくる。

軽いタッチを忠実に守っているのか、こちょこちょすることもなくただ撫でてくるだけなので、ちょっとくすぐったいけどこれならギリギリ耐えられる。

「ちょっと動いてるみたいだよ」

「そうだな。笑ったり、もっと暴れるような仕組みにはなってないみたいだな」

「うーーん。太郎くんがすごいくすぐったがってたって言ってたのになぁ」

男の子は触る部位を変えながらも、ただひたすらに優しく撫でてくる。

私はこのまま興味を失ってくれという希望を抱き、今まで以上に身体中に力を入れて、少しのくすぐったさに耐える。

2,3分経ったであろう頃、男の子が「つまんなくなってきた」と呟く。

撫でられる感覚にも慣れてきて、身体の力を抜いてもくすぐったさには全然耐えられるようになってきた。

「そうだな。違うとこ行くか?なんか反応がどんどん無くなってきたしな。ロボットさん、もっと反応するようになってないのか?」

よし、終わりにしてくれるかも!!と期待していると、子どもの手ではないであろうしっかりした手で、お腹をこちょこちょっと軽くくすぐられる。

「きゃっ!ハハハハ!」

撫で撫でくすぐりに慣れて完全に力を抜いていて、一瞬も耐えられる笑ってしまい、身体をビクッと動かしてしまった。

「お?なんだ、反応するぞ?ほれほれ」

反応すると分かったお父さんは、両手で脇腹を素早く指を動かしてくすぐってきた。

「あ、い、いやっ、アハハハハ!だ、めえええええええ!!いいいいい!ひひひ!あはんっ、んん!あはははは!」

子どものくすぐりとは違って、大人にくすぐられるとすごいくすぐったい。

身体を後ろの壁に打ち付けながら暴れてしまう。

「おぉ、なんだ、すごい反応するじゃんか。お前の触り方が下手だっただけだな」

「お父さんすごい!こんな感じ?」

さっきまですごい優しいタッチだった男の子も、お父さんを見習ってしっかりくすぐってきた。

「いや、ああああああ!あははははは!もぉ無理ぃぃいいいいいいひひひ!あっ、ああああ!あはははは!アアアアアアア!」

「太郎くんの家族が言ってた通り、やっぱりすごいリアルだな。本当にくすぐったそうだ。それに触り心地も実際の女性の身体みたいだぞ」

「くすぐるのって楽しいね!ねぇねぇ、反応の良い箇所を狙うってどこがいいの?」

くすぐりは人によって感じ方が異なり、またくすぐられるのを好まない人もいますが、くすぐる際にポイントとなるコツをいくつかご紹介します。ただし、相手が快適であり、同意の上で行ってください。

  1. 軽いタッチを心掛ける:
    くすぐるときは、強く押し込むのではなく、軽くタッチするようにしましょう。人の肌は非常に敏感なので、羽のような軽いタッチでさえも強いくすぐったさを引き起こすことがあります。
  2. 反応の良い箇所を狙う:
    人によってくすぐりやすい部分は異なりますが、一般的には脇の下、首筋、脚の内側、足の裏などが敏感な場合が多いです。これらのエリアに軽く指を走らせたり、ピアノを弾くような動きで触れたりすると効果的です。
  3. リズムを変える:
    同じリズムで続けると、相手の体が慣れてしまい、感覚が鈍くなることがあります。そのため、リズムを変えたり、予期せぬタイミングでくすぐったりすることで、相手を驚かせることができます。
  4. くすぐる強さを調節する:
    強すぎると痛みを感じることがありますし、弱すぎるとくすぐったさを感じないことがあります。相手の反応を見ながら、くすぐる強さを調整しましょう。
  5. 相手の状態に注意する:
    相手が楽しんでいるかどうか、くすぐりによって苦しんでいないかを常にチェックしてください。笑いは体の自然な反応ですが、過度になると息苦しさや不快感を引き起こすことがあります。また、笑いやくすぐったさで防御反応が出る場合があり、思わぬ怪我につながることもあるので注意が必要です。

くすぐりは親密さを表す行為でもありますが、必ず相手の同意を得て、楽しい経験になるように心がけましょう。

男の子がAIのくすぐるコツを読み上げる。

「一般的には腋の下、首筋、脚の内側、足の裏などが敏感な場合が多いって書いてあるぞ?」

「ほんとだ!じゃあ僕は腋の下と首筋やってみようかな」

「そうか、じゃあお父さんは脚の内側か。足の裏は地面についてるし」

役割分担ができたようで、男の子は腋と首筋をくすぐってくる。

首は直接くすぐられたらやばいけど、全身ラバータイツは首も隠してくれているので、そこまでくすぐったくはない。

しかしくすぐるのがうまくない子どもでも、腋はやはり耐えられない。

拘束具を限界まで伸ばして抵抗しようとするも、腋を閉じることはできずひたすらくすぐったさを味わう。

「ヒィイイイイ!ああっ、あははははは!わき、いやあああ!あはははは!くぅすぐったいぃいいい!」

「お父さん、腋は反応が良いところっぽいよ!脚の内側はどう?」

男の子が一度くすぐる手を止めてお父さんに確認する。

脚の内側って、くすぐったいものだっけ?

太ももをモミモミされたりするとくすぐったかった覚えあるけど、イマイチくすぐったい部位だったかどうか覚えがない。

「本物の人間はこの辺は敏感なはずだが、ロボットはそうなってるのかな?」

お父さんの手が、私の太ももの内側に触れて優しくさすってくる。

「ふひひ。あっ、んっ、うっ、ふふふ!あっ!」

内ももへの感覚から、こちょこちょされているわけではなくただ触られているだけだと分かるのだが、想像以上にくすぐったい。

単にくすぐったいというより、なんだろう、この焦ったくて恥ずかしい感じ…

「おぉ、すげぇ内股になった。この辺もリアルにできてるのか、温もりも本当に人間みたいだ」

お父さんは内ももを5本指でひたすらに撫でてくる。

「こちょこちょしないの?」

「そうだな。撫でてるだけでこの反応だから、こちょこちょしたらもっと反応するように設定されてるのか?」

優しく撫でられるだけの刺激から、5本指が立てられてこちょこちょと動く刺激へと変わる。

「あっ、だ、だめっ、そんなとこっ!あは!あはははは!いやああああああああ!!!!きゃあああああああハハハハハハハ!!!!」

脚を限界まで閉じるも、くすぐりを防ぐことはできない。

こんな体勢にされて恥ずかしいけど、身体が勝手に内股になってしまう。

力が抜けて、もはや手を縛られていなければ座り込んでしまっているだろう。

「おぉ、腋と同じくらい反応してるんじゃないか?てか、こんな部位までくすぐったがるように設定するって、リアルすぎるな」

「僕もやりたい!!」

男の子が踏み台から降りて、内ももくすぐりに参加してくる。

「ちょっと、もぉそこはあああああああ!あははははは!いやぁああああ!!!!!!いいいいひひひ!」

「こんなスタイルの良い人のこんな部位触れる機会なんてないだろうから、ロボットだし思う存分触っておけよー」

「分かった!」

お父さんのエロアドバイスにより、男の子の内ももくすぐりが激化する。

「あと15秒か。このロボット胸の大きさもある程度作ってあるけど、感覚あるように作られてるんかな?」

え、お父さん…?待って、もしかして…

予想は当たってしまい、内ももを襲う手が2本消え、胸へ刺激が移る。

「や、あんっ、もぉ、あはは!さ、触らないで、そんなとこ!!あはは!くぅ、すぐったい…いやああああ!!!」

腋や胸の横あたりなら友達にくすぐられたことはあるが、胸、それも乳首付近なんてくすぐられたことはない。

ここって、こんなくすぐったいの!?

それに、顔を見られてないとはいえ、恥ずかしすぎるんですけど!!!

内ももと胸を同時にくすぐられるなんて…

くすぐったいし、もうっ、なんか変な気分になってきた…

ロボットだと思って普通なら触ってこないとこまで…

泣きそうになっていると、やっと終了のブザーが鳴り響く。

「あ、もう終わりかぁ。最初の方の時間無駄にしちゃったからなぁ」

お父さんがそう名残惜しそうに呟く。

そうして、2人はブースから退出していった。

すると、スタッフさんが拘束を解いてくれる感覚が。

マスクも外され最初の30分が終わり、交代だと告げられる。

開場してからのロスタイムと、2組目のお客さんの入りのタイムラグがあったおかげで、最初の30分は幸い2組で終了した。

くすぐりのプロ参入?

もう1人の男子スタッフが担当する30分間、バックヤードで死体のように休んだが、倦怠感がものすごい。

くすぐられて笑い続けるって、体力の消費が激しいんだな…

普段くすぐられることはよくあるけど、毎回私が暴れるので長くて5秒くらい。

何分も連続でくすぐられるなんて初めての経験だ。

交代のタイミングで男子スタッフとすれ違ったけど、そんなに疲労している様子はない。

いいなぁ、くすぐり強いのかなぁ。

ブースの入口はスライド式のドアで閉められており、中が見えなくなっているうちに、スムーズに拘束されてマスクを被される。

「では、もう並んでますので案内しますね」

スタッフさんそう私に話しかけて入口のドアを開けて先頭のお客さんを案内し始める。

すると、幼い声ではない、歳が近そうな声質の男性2人が話しながら入ってきた。

「おぉ!これがTwitterのくすぐりフェチ界隈で話題になってた、くすぐると反応してくれるAIロボットか!」

「この前の画像のやつ違うな?前のやつ、ロボットのくせにぽっちゃりしてたけど、今日のめっちゃスタイル良くね?」

「だな。Twitterだと感度いまいちなロボットだって言ってたけど、俺らの手にかかったらどうなるんだろうな。へへへ」

くすぐりフェチ界隈?

なんだか、良い予感はしない…

「なんか、もうモジモジ動いてね?」

「ほんとだ。プレイする前のぐらにそっくりだな。ここまでリアルに再現してるのか、すげぇな」

これからくすぐられると思うとさっきのくすぐったさを思い出してしまって、身体が動いてしまうのだ。

それにこの人たちの会話、どうゆうこと?何を話してるの?

プレイって?

「最近俺プレイできてなかったから、ぐり欲めっちゃたまってたんだわ。良い反応してくれると良いなぁ」

「俺も。ロボットってわかってるけど、スタイル良すぎてめっちゃ興奮してきたわ」

なになに、この人たち…

よく分からないけど、大学生くらいの男子2人が本気でくすぐってこようとしているのは伝わってくる。

「じゃあ、まずはこのタブレットにこのセリフを読んでくすぐるコツを聞いてから始めてくださいね〜。よーいスタートーーー!」

お客さん2人は、今までと同じく、くすぐるコツをAIに質問する。

「おー、わかってるじゃんか、AI!」

「んな!ただ激しくくすぐれば良いってわけじゃないんよなぁ。それにこの同意をとってからってのもくすぐりフェチとしては重要だよな」

「だよなぁ。じゃ、お姉さん、くすぐっていいですか?」

くすぐりフェチ?初めて聞くワードだけど、とりあえずこの人たちがくすぐるのが大好きなんだろうなというのは分かる。

だからこそ、この質問に答えるのが怖い。

「あれ?答えないぞ?くすぐっていいですか?」

これ以上無視してはマズいよね…

「は、は、はい…」

勇気を振り絞って同意する。

「すげ、怯えてる感じもめっちゃリアルじゃん。それじゃ、あと4分くらいか。くすぐりフェチの力をロボットに思い知らせてやろうぜ」

「おうよ。左右で分担するか」

「OK」

私の左右に人が移動してきたのを感じる。

そして、特にスタートの合図などはないまま、2人とも上半身を満遍なく優しくこちょこちょしてきた。

「あっ、だめっ、もぉくすぐりはああああああ!あはははは!くすぐったすぎるってえええええ!!いいひひひひ!やあああああははは!」

今までもくすぐったかったんだけど、この人たちの触り方は何かが違う。

優しいタッチなのに指のスピードは速く、弱点を探りながらいろんなところをくすぐってきているのが分かる。

「もぉくすぐりはって、さっきくすぐられてたデータが残ってるのか。てか、めっちゃ反応良いやん」

「このクネクネする感じ、ロボットにできるんだな。拘束も緩くて、あとちょっとで抵抗できそうだけどできない感じがめっちゃ興奮するな」

私の耳元で、2人の息が荒くなっていくのが聞こえる。

尋常ではないくすぐったさだけど、まだくすぐったさのピークじゃない気がする…

そんな悪い予感がある。

「上半身の弱点は脇腹になってるんかなぁ」

「難しいな。上半身全部、弱点といっても良い気がするけど。確かに1番脇腹が反応良いかもな」

「短い時間だし、もうツボ入れやっちゃう?」

「そうするか、出し惜しみしても仕方ないしな。けどツボ入れがくすぐったいって感覚として登録されてるんかな?まぁやってみるか!」

弱点を探されながらくすぐられている現段階でおかしくなりそうなのに、恐ろしいことを話している気がする。

ツボ入れって?くすぐったいツボを突いてくるってことだよね…?

「ん!ふふふ」

2人は何かを探るような手つきで脇腹に触れてくる。

「まだやってないのに笑ってるよ。めちゃ弱いぐらとして作られてるんだなぁ」

「ツボ入れも効くようになってると良いなぁ。生地はピッタリしてるとはいえちょっと硬いし、ちょっと力強めでやってみるか」

「おう!いくぜーーー!」

ノリノリで2人は脇腹を触る手つきを変え、指を立てて脇腹、ウェスト部分をモミモミしてきた。

「アアアアアアアアア!アハハハハハ!やっ、これダメエエエエエエエ!!!いやあああああ!ああああん!ハハハハハハ!!むり、むりぃいいいひひひひ!!!!」

こんなくすぐったいの、人生で初めて…

片側でさえも過去最高にくすぐったいのに、それが両側やられていて、もうくすぐったすぎて何も考えられない。

酸素を必死に吸う以外何もできない。

「おぉ、ツボ入れめちゃ弱いじゃん!AIわかってんなぁ〜〜」

「反応もリアルすぎてやべぇし、こんなウェストくびれた人くすぐる機会なんて無いし、もぉこのロボット100万くらいだったら俺買っても良いかも」

「確かにな。これがあったらぐり欲満たし放題じゃん」

「もぉ、それやめてぇえええええ!アアアアア!あああははははは!し、死んじゃうってえええええええ!!!」

もうロボットのふりをするなんて考えは全くなく、やめてもらえるよう本心で懇願する。

「こう言ってるけどどうする?もうちょっとこのウェスト堪能しね?」

「あぁ、同意だ」

「ちょっとおおおお!もぉ限界だって!あはは!ねぇ!いやあああああはははは!んんああああああ!」

脇腹のくすぐったいツボを完全におさえられ、常に尋常では無いくすぐったさに襲われる。

「ねぇ、だってよ?ちょっと怒る設定もあんのか。たまんねえなーーー」

「おい、あと2分だってよ!」

「え、もう半分過ぎてんのかよ!あっという間すぎるだろ!どうする?下半身いくか?」

「んー、もうお互い好きなとこくすぐらね?」

「それもそうだな」

2人はそう結論を出すと、1人は下半身・もう1人は上半身となったようだ。

脇腹へのツボ入れ?地獄は終わったものの、この2人のくすぐりはどこを責められてもやばい。

まだ2分もあるなんて…

「このロボットさ、さすがにセンシティブの制限みたいので内ももとか鼠蹊部は効かなくなってるよな?」

下半身担当の男子が下からそう確認する。

「まぁ健全なイベントだし流石に効かないだろうな。けど、ん?あれ?見て、これ」

上半身担当の男子が私の下乳を突きながらそう言う。

「んっ、あっ、ひひっ」

なんか、普段ならこんなくすぐったくないはずなのに、散々くすぐられたせいか軽く突つかれるでくすぐったく感じる。

「え、胸反応すんの?てことは、内ももも効くようになってんじゃね?」

ちょっと待って、内ももはさっき初めて知ったけど、本当にダメなの…

「や、やめ、てええええ!あはんっ、んんっ!んんんん!ああああ!あはははは!やんっ、あへへ、あぁっ!」

またこの感覚、くすぐったいし、全身に電気が流れるようなこの変な感じ…

おかしくなっちゃうよ、ほんとに、もぉ。

「すげぇ、内ももも効くようになってる!それに反応もちょっとエロっぽい!」

「まじだ…AIやべぇな。うわっ!胸の先端もくすぐるとビクビク動く!」

「体勢も動きもエッロ!!ちょっと待って、もうあと1分だぞ?」

「は!?もう!!ラストスパートいくか!!」

「おう!ラストって言ったらこれだよな。おそらくここも効くようになってるだろ」

2人は示し合わせるように最後にくすぐる場所を決めたようだ。

部位を言ってくれないと、どこをくすぐられるかの予測がつかない。

けど、幸い内ももから手は離れてくれたので、恥ずかしい動きをさせられずに済んだことにホッとした。

「よし、ラストスパートだああああ!」

「よっしゃあああ」

2人の声が下から聞こえてきた。

え、どこをくすぐってくる気…!!!ちょ、どこ、触って…!!!

「いやああああああそんなとこぉおおおおおお!やぁ、ああん、あへへ、いいいいひひひ!あははは!」

さっきくすぐられていた内ももよりもさらに上、股の部分をくすぐってきた。

「おぉ、やっぱり鼠蹊部も効くようになってたか。胸が効くならここも効くと思ったけど、予想以上に反応良いな」

「んな。内股になって抵抗しようとしてて、めちゃめちゃエロい」

「開発者くすぐりフェチなんじゃねえの?ってくらいぐりの理想通りだな」

2人はそんな会話をしながらも、手は容赦無く2人が言うところの鼠蹊部?をくすぐってきている。

それに、手の位置がどんどん、内側に…

「ねぇ、さ、触ってるば!!!ちょっと!!!あぁ、やぁ、もぉおお!あはは!やんっ、あひっ、ひひひ。あう…」

ロボットだから良いと思っているんだろう、私の性器部分までにまで指が到達している。

「え、くすぐりで感じるようにまでなってるん?」

「反応明らかにちげえよな。もしかして、ぐらイキする設定まであったり?」

「まさか…いや、もしかしたら?とにかく最後までここやってみよう」

2人の手は違う部位に移ることなく、私の性器とその付近をくすぐり続けてくる。

何これ、くすぐったいのに…

私、まさか、感じてる??

アレの時みたいに、アソコが熱い…

くすぐりで….??

「あっ、あふふ。んっ!やぁ、もぉ、んんん!あぁ、あぁ、あえ、いいいい!あんっ、あはは!やぁ、もぉ、げんかい…アアア!」

やだ、そんなの。やばい、頭がもうおかしくなってきた…

「え、これまじでぐらイキしそうじゃね?」

「そう、だな。え?ほんとに?」

さっきからこの人たちが言ってる”ぐらイキ”って、くすぐられてイクってこと??

本当にイカせようとしてきてるてこと??

い、いや、こんな、くすぐりで、イクなんて…

けど、くすぐったいのに、気持ち良い、気がする。

やだ、もう、全身に力を入れてないとイッちゃう…

もう、イッていいかな…?我慢、できない…!

我慢の限界を突破しそうなタイミングで、終了のブザーが鳴り響く。

「うわ、このタイミングで終わりかよ!!」

「まぁ、結局イクことなんて無いだろ、さすがにな」

「それもそうか。けど、めっちゃ楽しかったな」

2人は満足したのか、ブースから出ていった。

ちょっと、あと3秒でもくすぐり続けてくれてたらイケたのに…

って、何考えてるの、私。

って、これからまだ私くすぐられるんだよね…

もう純粋にくすぐったいのは嫌。

さっきの続きなら、いいけど…

朦朧とする意識の中でそう考えていると、ブースのドアが閉められる音が。

まだ1組で残り時間があるはずなのに、どうしたんだろうか。

マスクを外され、拘束具もパパッと外されると、明るくなった視界にディレクターさんがいた。

「葉月さん、今日は終わりでいいよ!本物のロボット届いたから!」

「え?」

隣ではロボットが設営中で、見るからにロボットと言うのが相応しいペッパーくんのようなくすぐられる用のロボットがいた。

このロボットにバトンタッチし、今日の仕事は終了。

着替えて会場を出て、駅へとフラフラな足取りで歩く。

もう、くすぐられるのなんて、二度と御免だ。

御免なんだけど、何、この気持ち。

身体がムズムズする…

くすぐったくてしんどかったのに、ロボットが届かなかったら、なんてことを考えてしまう。


その後のイベントでは・・・

とてもリアルなくすぐられロボットがいると好評だったが、急にロボットが悪変し、口コミは最悪となったらしい。


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